前田建設工業の年収を見て転職を考えているなら、まず相場を確かめましょう
前田建設工業の水準が自分の希望に合うかは、他社の求人と並べて初めて判断できます。ビルドジョブは施工管理・建設分野に特化した転職支援で、非公開求人を含めて条件を比較できます。今の経験でどの水準まで狙えるかを、無料で確認できます。
【結論】前田建設工業の年収は、有報で追えるのは2021年3月期の927万円が最後
最初に結論をお伝えします。前田建設工業株式会社の平均年収は、有価証券報告書(企業が金融庁へ出す公式の決算書類)で確認できる範囲では、2021年3月期の927万円が最新です。平均年齢は43.2歳、平均勤続年数は17.4年でした。建設業界全体の平均(約540万円)を大きく上回る高い水準です。
ただし注意点があります。前田建設工業は2021年10月に持株会社「インフロニア・ホールディングス」の傘下に入り、上場を廃止しました。これにより、前田建設工業”単体”の平均年収を載せた有価証券報告書は第77期(2022年3月期)が最後となり、2023年3月期以降は提出されていません。そのため、転職サイトなどが載せる「1,023万円(2024年)」といった新しい数字は、公式の有報では裏付けが取れない推計値です。
この記事では、あいまいになりがちな前田建設工業の年収を、有報と公式採用ページの実額だけで整理します。そのうえで、施工管理として働いたときの実収入や、現場と本社の違いまで踏み込んで解説します。
なぜ前田建設工業の年収は「わかりにくい」のか
各社の年収サイトを見ると、前田建設工業の平均年収が「1,023万円」「1,002万円」「927万円」「880万円」とバラバラに書かれています。この食い違いには、はっきりした理由があります。
前田建設工業は2021年10月、前田道路や前田製作所とともに「インフロニア・ホールディングス」を設立し、その完全子会社になりました。上場していた株式は持株会社へ移り、前田建設工業自身は上場廃止となりました。上場企業には有報の提出義務がありますが、非上場になった前田建設工業は単体の有報開示を2022年3月期で終えています。
つまり、2023年3月期以降の「前田建設工業単体の平均年収」は、公式には存在しません。新しい数字を載せているサイトは、過去の伸びからの推計や、親会社インフロニアの数字との混同である可能性が高いです。正確に知りたいなら、有報で追える2021年3月期までの実額と、親会社インフロニアの数字を分けて見る必要があります。
有報でたどる前田建設工業の平均年収の推移
有価証券報告書に記載された、前田建設工業単体の平均年収の推移は以下のとおりです。上場廃止前の8年間で、740万円から927万円まで着実に上がっていました。
| 年度(3月期) | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| 2014年 | 740万円 | 43.6歳 | 2,796名 |
| 2015年 | 777万円 | 43.8歳 | 2,821名 |
| 2016年 | 808万円 | 43.9歳 | 2,857名 |
| 2017年 | 860万円 | 43.8歳 | 2,945名 |
| 2018年 | 881万円 | 43.7歳 | 3,001名 |
| 2019年 | 906万円 | 43.4歳 | 3,083名 |
| 2020年 | 928万円 | 43.1歳 | 3,161名 |
| 2021年 | 927万円 | 43.2歳 | 3,220名 |
2020年3月期の928万円をピークに、2021年3月期は927万円とほぼ横ばいでした。従業員数は年々増えており、採用を続けてきたことがわかります。これが有報で確認できる、前田建設工業単体の最後の年収水準です。
2022年以降の年収はどう見ればよいか
上場廃止後の前田建設工業の年収を知りたい場合、手がかりは2つあります。ひとつは親会社のインフロニア・ホールディングス、もうひとつは公式採用ページの初任給です。
なお、インフロニアは2025年9月に三井住友建設のTOBを成立させ、同社も同じグループに入りました。三井住友建設も上場廃止となり、前田建設工業と同じく単体の開示が終わる見込みです。
親会社のインフロニア・ホールディングス(証券コード5076)は上場企業なので、有報で平均年収を開示しています。ただしインフロニア単体は持株会社で従業員数が少なく、水準は前田建設工業の実態とは離れます。日本経済新聞によると、インフロニア・ホールディングスの平均年収は1,106万円です。連結には前田道路なども含まれるため、これをそのまま前田建設工業の年収とみなすことはできません。
より確実なのは、公式採用ページの初任給です。前田建設工業の初任給は、2025年実績で大学卒28万円、大学院卒(修士)30万円です。この初任給の水準は、後述するゼネコン各社と比べても標準的です。各社の初任給を横並びで比べたい方は、ゼネコンの初任給ランキングもあわせてご覧ください。
年収の「手取り」はどのくらいか(モデル試算)
有報の平均年収927万円は、残業代や賞与を含んだ「額面の総支給」です。実際に手元に残る手取りは、ここから税金と社会保険料が引かれるぶん少なくなります。
手取りは扶養家族の有無や住む自治体で変わるため、あくまで目安になりますが、額面927万円なら手取りは概ね690万〜710万円台が一つのモデルです(単身・一般的な控除率での試算です。実額ではありません)。月あたりにならすと、手取りで57万〜59万円ほどの計算になります。ボーナスの比率が高いので、毎月の給与とは印象が変わる点に注意してください。
施工管理として働くと年収はどう上がるか
前田建設工業で施工管理(現場監督)として働く場合、年収は初任給から段階的に上がっていきます。新卒の初任給は大卒28万円ですが、資格の取得や役職への昇進で収入が伸びる仕組みです。
一般に、1級施工管理技士などの資格を取ると資格手当が付き、現場の所長クラスになると管理職手当が加わります。前田建設工業単体の年代別・役職別の実額は、上場廃止後の有報では追えないため、正確な数字は公表されていません。ただし平均年収が900万円台だったことから、40代の中堅層は平均を超える水準に達していたと考えられます。
現場(作業所)と本社(内勤)で年収は違うのか
ゼネコンでは、現場の作業所に常駐する社員と、本社や支店で内勤する社員とで、手当の付き方が変わります。現場常駐には出張手当や現場手当が付きやすく、同じ等級でも実収入が上がる傾向があります。
一方で、現場は転勤や長時間労働を伴いやすい面もあります。年収の額だけでなく、働き方まで含めて比べることが大切です。前田建設工業はインフラ工事に強みを持ち、大型の土木案件が多い会社です。現場での経験がキャリアの中心になる点は、志望前に押さえておきましょう。
今の経験で、年収がどこまで上がるかを確かめる
施工管理の経験や保有資格は、会社によって評価のされ方が変わります。ビルドジョブは建設分野に特化しており、スピード対応と最短即日の紹介が特徴です。まずは非公開求人を含めた条件を見て、今の待遇と比べてみてください。
中途入社の待遇はどうなるか
中途採用で入った場合の年収は、前職の経験や保有資格をもとに個別に決まります。新卒から働くプロパー社員と比べて、必ずしも同じ等級から始まるわけではありません。
建設業界は人材不足が続いており、施工管理の経験者は好条件で迎えられやすい状況です。前田建設工業は親会社インフロニアのもとでインフラ運営事業へ広がっており、施工管理以外のキャリアの選択肢も増えています。応募前に、希望する職種の等級と年収レンジを確認しておくと安心です。
準大手ゼネコンの中での位置づけ
前田建設工業の平均年収927万円(2021年3月期)は、準大手ゼネコンの中でも上位の水準でした。西松建設や長谷工コーポレーションと並ぶ、1,000万円に近いグループです。インフラ工事の比率が高く、利益率を確保しやすい事業構成が背景にあります。
他のゼネコンと年収を比べたい方は、ゼネコンの年収ランキングで企業規模別・年代別の水準を確認できます。前田建設工業がどの位置にあるのかを、他社と並べて見てみてください。
前田建設工業とはどんな会社か
前田建設工業は1919年創業の準大手ゼネコンで、ダムやトンネルなどのインフラ土木に強みを持ちます。2021年からは持株会社インフロニア・ホールディングスの中核会社として、建設だけでなくインフラの運営や維持管理まで手がける「脱・請負」を進めています。
この事業の広がりは、社員のキャリアや年収にも関わります。従来の施工管理に加えて、インフラ運営などの新しい職種が生まれているためです。会社を選ぶときは、こうした事業の方向性もあわせて見ておくとよいでしょう。
年代別・職種別の年収の目安(口コミ集計・参考値)
上場廃止後は有報で年代別の実額を追えないため、ここでは転職口コミサイトの集計による目安を紹介します。いずれも公式の実額ではなく、あくまで参考値としてご覧ください。
年代別では、25〜29歳で600万円台、30代前半で700万円前後、40代で900万円前後という声が見られます。職種別では建築や設計が高めに出る傾向があります。これらの目安は、有報の平均年収927万円(2021年3月期)とも大きくは矛盾しません。
福利厚生と働き方
前田建設工業は、住宅関連の手当や独身寮、退職金制度などを整えています。近年は建設業界全体で働き方改革が進み、残業時間の管理や休日の確保にも取り組んでいます。
一方で、現場勤務は転勤や繁忙期の長時間労働を伴うことがあります。年収の高さだけでなく、こうした働き方の実態もあわせて判断することが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 前田建設工業の平均年収はいくらですか。
有価証券報告書で確認できる最新は、2021年3月期の927万円です。上場廃止により2023年3月期以降は単体の開示がなく、それより新しい公式値はありません。転職サイトの新しい数字は推計値です。
Q. なぜ年収サイトで数字がバラバラなのですか。
2021年に前田建設工業がインフロニア・ホールディングスの子会社となり、単体の有報開示が2022年3月期で終わったためです。以降の数字は推計や、親会社インフロニアの数字との混同が原因と考えられます。
Q. インフロニア・ホールディングスの年収とは違うのですか。
違います。インフロニアは持株会社で、平均年収1,106万円は持株会社の少人数のものです。連結には前田道路なども含まれるため、前田建設工業の実態とは分けて考える必要があります。
Q. 前田建設工業の初任給はいくらですか。
公式採用ページによると、2025年実績で大学卒28万円、大学院卒(修士)30万円です。各社の初任給の比較はゼネコンの初任給ランキングで確認できます。
まとめ
前田建設工業の年収は、有報で追える2021年3月期の927万円が確かな最新値です。上場廃止後は単体の開示がなく、新しい数字は推計にとどまります。会社を判断するときは、この確かな実額と公式の初任給を基準にしてください。年収の伸びや働き方は、施工管理のキャリア全体で見ることをおすすめします。
情報を集めたら、実際の求人で答え合わせをする
記事で見た年収や働き方が自分に当てはまるかは、実際の求人を見るのが確実です。ビルドジョブは施工管理・建設に特化した転職支援で、登録も相談も無料です。転職を決めていない段階でも、条件の相談から始められます。
出典
前田建設工業の平均年収推移・従業員数:IRBANK(前田建設工業 有価証券報告書ベース)/有価証券報告書の提出期:前田建設工業 IR(最新は第77期・2022年3月期)/初任給:前田建設工業 新卒採用募集要項(2025年実績)/インフロニア・ホールディングスの平均年収:日本経済新聞。いずれも2026年7月時点。手取りの金額は単身・一般的な控除率でのモデル試算で、実額ではありません。

