大林組の年収・就職・退職金を一次データで先に結論
株式会社大林組(証券コード1802・東証プライム上場)の平均年収は、最新の有価証券報告書で1,140万円です(2025年3月期・単体)。建設業界のなかでも高い水準にあります。本文ではこの数字を有価証券報告書の5年推移で確かめ、初任給や退職金の仕組み、就職の難しさまで、確認できる出典をつけて整理します。
先に要点をまとめます。年収は5年で1,000万円台前半から1,140万円へ伸びています。新卒の初任給は大学卒で月30万円、修士了で32万円(2026年4月実績・全国型)です。就職の難しさは就活生からの評価で5段階中4.3前後とされ、難関の部類に入ります。退職金は確定給付年金と確定拠出年金を組み合わせる仕組みで、金額そのものは公式には開示されていません。各項目の根拠は、それぞれの章で出典つきで示します。
なお現在のタイトルにある「1,066万円」は、1つ前の年度(2024年3月期)の平均年収です。最新値ではないため、本文では最新の1,140万円(2025年3月期)を基準に説明します。古い数字との違いも下の推移表で確認できます。
大林組の平均年収は5年でどう動いたか(有価証券報告書)
平均年収を語るうえで一番たしかな出典は、会社が国に提出する有価証券報告書です。求人サイトやまとめ記事の数字は年度がずれていることが多いため、ここでは有価証券報告書(EDINETで開示)に基づく単体ベースの5年推移を表にしました。いずれも各年3月期の「従業員の状況」に記載された値です。
| 決算期 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 2021年3月期 | 1,032万円 | 42.6歳 | 17.1年 |
| 2022年3月期 | 1,024万円 | 42.6歳 | 17.0年 |
| 2023年3月期 | 1,031万円 | 42.7歳 | 17.0年 |
| 2024年3月期 | 1,066万円 | 42.6歳 | 16.7年 |
| 2025年3月期 | 1,140万円 | 42.4歳 | 16.4年 |
2022年3月期にいったん1,024万円まで下がったあと、3年連続で増えています。とくに直近は前年から74万円ほど上がり、過去5年で最も高い水準になりました。平均年齢は42歳台でほぼ横ばいですが、平均勤続年数は17.1年から16.4年へ少しずつ短くなっています。採用が増えて若手が入ったぶん、平均が下がっていると読めます。
ここでの平均年間給与は、賞与や基準外の手当も含んだ全社員の平均です。新卒の初任給や中途で提示される金額そのものではありません。役職や年代で実際の金額は大きく変わる点に注意してください。
口コミサイトでは平均784万円といった数字も見られますが、これは投稿した人の構成にかたよりが出やすく、会社全体の平均とは一致しません。会社全体の正式な平均としては、有価証券報告書の値を基準に考えるのが確実です。
出典: IRBANK 大林組(1802) 平均年収の推移(各年3月期の有価証券報告書を集計)。原典は大林組が提出した各年度の有価証券報告書(大林組 IR資料集 有価証券報告書一覧)。口コミ平均はOpenWork 大林組。
大林組とスーパーゼネコン4社の年収比較(各社の有価証券報告書)
大林組の1,140万円が業界のなかでどの位置にあるかを見るため、スーパーゼネコンと呼ばれる代表4社を並べました。比較したのは大林組(1802)、鹿島建設(1812)、大成建設(1801)、清水建設(1803)です。いずれも2025年3月期の有価証券報告書(単体)に基づき、平均年収・平均勤続年数・従業員数をそろえました。
| 会社名(証券コード) | 平均年間給与 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体/連結) |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設(1812) | 1,184万円 | 16.4年 | 8,854名 / 21,029名 |
| 大林組(1802) | 1,140万円 | 16.4年 | 9,386名 / 17,305名 |
| 大成建設(1801) | 1,058万円 | 17.2年 | 8,994名 / 16,382名 |
| 清水建設(1803) | 1,011万円 | 16.0年 | 確認中 / 確認中 |
4社のなかでは鹿島建設が最も高く、大林組は2番手につけています。差は40万円ほどで、上位2社が頭ひとつ抜けている形です。平均勤続年数はどの社も16〜17年台で大きな差はなく、長く働く人が多い業界だと分かります。清水建設の従業員数は今回の集計元に明記がなかったため「確認中」としています。正確な人数は同社の有価証券報告書でご確認ください。
なお大成建設は2026年3月期の有価証券報告書で平均年収1,191万円という、より新しい値も開示されています。今回は4社をそろえて比べるため2025年3月期で統一していますが、各社とも年度が新しくなると数字が動く点は念頭に置いてください。
出典(各社2025年3月期 有価証券報告書): 大林組 IRBANK 1802 / 鹿島建設 IRBANK 1812 / 大成建設 IRBANK 1801 / 清水建設 IRBANK 1803。従業員数は各社の有価証券報告書「従業員の状況」による。
年代別・役職別の年収の目安はどれくらいか
有価証券報告書で分かるのは全社員の平均だけで、年代別や役職別の内訳は公式には開示されていません。ここから示すレンジは、平均年収・年功的な給与体系・口コミ情報をもとにした一般的な目安です。会社が公表した確定値ではないため、参考の範囲としてご覧ください。
| 年代・役職 | 年収の目安 | 区分 |
|---|---|---|
| 20代 | 400〜550万円 | 推計(目安) |
| 30代 | 550〜750万円 | 推計(目安) |
| 40代 | 750〜950万円 | 推計(目安) |
| 50代 | 950〜1,200万円台 | 推計(目安) |
| 課長クラス | 1,000万円前後 | 推計(目安) |
| 部長クラス | 1,200〜1,500万円 | 推計(目安) |
大林組は年功の色が残る給与体系といわれ、30代後半から管理職にかけて伸びる傾向があります。役職が上がるほど平均との差が開くため、課長・部長クラスは平均の1,140万円を上回ると考えられます。ただしこれらは確定値ではなく、実際の金額は職種や評価、勤務エリアで変わります。正確な数字は選考の過程で会社に直接ご確認ください。
新卒の初任給と賞与は公式採用ページでいくらか
初任給は会社の採用ページに正式な金額が載っています。2026年4月入社(全国型勤務)の初任給は、大学卒が月30万円、修士課程修了が32万円、博士課程修了が35万円です。勤務地を地域に限る拠点型では金額が変わり、たとえば札幌・北陸・四国エリアでは大学卒が月24万円、修士了が25万6,000円となります。
大林組は初任給を毎年のように引き上げており、2025年4月入社では大学卒30万円・修士了32万円へと、前年から各2万円上げています。会社の発表では、2022年4月以降4年連続の引き上げにあたります。さらに2025年度に始まる現場手当を含めると、学部卒で最大35万円になるとしています。
賞与は年2回(7月・12月)、昇給は年1回(4月)です。所定労働時間は8時30分から17時15分(実働7時間45分)で、所定時間外労働があります。休日は完全週休2日制に祝日・夏期休日が加わり、年次有給休暇は1年につき20日です(入社初年度は入社月により変わります)。
出典: 大林組 新卒採用 募集要項(2026年4月実績)、大林組ニュース 2025年4月新卒社員への初任給アップ。
(a)受かるか:大林組の就職難易度と採用大学の実態
就活生が一番気にするのは「自分でも受かるのか」という点です。大林組の就職難易度は、就活会議の利用者評価で5段階中4.3前後とされ、難関の部類に入ります。就職偏差値の試算でも70前後と紹介されることが多く、人気と難しさはどちらも高めです。
採用倍率については出典によって幅があります。就活会議に登録した利用者の応募状況をもとにした集計では約5.8倍で、メーカー・建設業界の平均(約8.5倍)よりはやや低めと示されています。一方、文系と理系を分けて見ると、文系で約19倍・理系で約3倍という別の試算もあります。いずれもサイト利用者の範囲での数字で、会社が公表した正式な倍率ではありません。技術系を中心に採用する建設会社のため、理系のほうが入りやすく文系が狭き門になりやすい点は押さえておくとよいです。
採用大学は、就活会議で3名以上の採用実績が確認できる大学として、北海道大学大学院・中央大学・日本大学などが挙がっています。ほかの就活情報でも東京大学から日本大学まで幅広い大学名が見られ、いわゆる学歴フィルターは「地方国公立以上」を一つの目安とする見方が紹介されています。ただしこれは利用者データからの推測で、会社が学歴で線引きを公表しているわけではありません。大学名だけで合否が決まるわけではない点は、過度に気にしすぎないようにしてください。
出典: 就活会議 大林組 就職難易度・採用大学(同サイト利用者データに基づく相対値)。採用倍率・偏差値は各就活情報サイトの試算であり会社公表値ではありません。
(b)対策:選考フローとESや面接で問われること
次に「どう対策すればよいか」です。大林組の選考は、エントリーシートの提出から始まり、適性検査、複数回の面接を経て内定に至るのが一般的な流れとされています。エントリーシートでは志望動機と自己PRが軸になり、「なぜ建設か」「なぜ大林組か」を自分の経験と結びつけて書けるかが見られます。
面接では、困難な状況に立ち向かった経験や、チームで物事を進めた経験がよく問われます。大林組は求める人物像として、困難に果敢に立ち向かうチャレンジ精神を挙げています。学生時代に力を入れたことを話すときは、結果だけでなく、課題にどう向き合ってどう工夫したかという過程を具体的に語れるよう準備しておくと答えやすくなります。
技術系志望なら、研究内容を専門外の人にも分かるように説明できることが重要です。事務系志望なら、建設という長い時間がかかる仕事に対する理解や、なぜゼネコンの事務職なのかという動機の深さが問われます。いずれの場合も、インターンシップや会社説明会に参加して現場の話を聞いておくと、志望動機に具体性が出ます。なお選考の段階数や内容は年度で変わることがあるため、最新の流れは募集要項で確認してください。
(c)後悔しないか:年収・残業・離職・転勤の実態
最後に「入って後悔しないか」という視点です。年収は前述のとおり業界上位ですが、その背景には全国転勤や繁忙期の長時間労働があるという声も口コミでは見られます。建設会社は工事現場ごとに人が動くため、技術系を中心に転勤や単身赴任が起こりやすい働き方です。年収の高さと働き方の負担は、セットで考える必要があります。
離職率や残業時間について、会社が個別に公表した確定値は今回確認できていません(確認中)。残業の実態は口コミサイトで語られることが多いものの、投稿者の体感であり会社全体の平均とは限りません。長時間労働や評判の良し悪しを取り上げた声もありますが、客観的な裏づけが確認できない範囲の話は断定できません。実際の残業や休日の取りやすさは、配属される部署や現場で差が大きいと考えられます。
大林組の評判をより詳しく扱った記事や、就職難易度にしぼった記事は別途用意しています。働き方の不安や選考対策をさらに深く知りたい場合は、あわせてご覧ください。働く環境については、公式の有価証券報告書やサステナビリティ情報で開示される労働関連のデータも、最新の状況を知る手がかりになります。
大林組の退職金はいくらか(仕組みと出典)
退職金は気になる項目ですが、大林組が金額そのものを公式に開示しているわけではありません。確認できるのは仕組みの部分です。口コミ情報や福利厚生の紹介によると、大林組の退職金は確定給付年金と確定拠出年金を組み合わせる形になっています。確定拠出年金は職位ごとに毎月の拠出額が決まり、確定給付年金は勤続年数に応じて積み上がる仕組みとされています。勤続年数が短いと受け取り時に減額され、長く勤めるほど満額に近づくという説明も見られます。
金額の目安としては、業界の参考値があります。経団連の調査では、大卒で勤続38年の総合職が受け取る退職金の平均は約2,400万円とされています。これは大林組個社の値ではなく、大手企業全体の平均です。大林組も大手ゼネコンの一社として近い水準が見込まれますが、あくまで業界平均からの推測であり、確定した金額ではありません。正確な金額は社内規程で定まるため、内定後や在職中に会社へ直接確認するのが確実です。
出典: 退職金の仕組みはOpenWork 大林組(社員クチコミ)等の福利厚生情報による(投稿者個人の情報を含むため目安)。退職金の業界平均は経団連の退職金調査(大手企業対象)に基づく参考値で、大林組個社の開示値ではありません。
よくある質問(FAQ)
大林組の平均年収はいくらですか
最新の有価証券報告書で1,140万円です(2025年3月期・単体)。これは賞与や手当を含む全社員の平均で、年代や役職で実際の金額は変わります。
タイトルにある1,066万円は何の数字ですか
1つ前の年度である2024年3月期の平均年収です。最新は2025年3月期の1,140万円で、現在はこちらが正しい値になります。
スーパーゼネコンのなかで大林組の年収は何番目ですか
2025年3月期の有価証券報告書(単体)で比べると、鹿島建設(1,184万円)に次ぐ2番手です。大成建設(1,058万円)や清水建設(1,011万円)を上回ります。
大林組の新卒初任給はいくらですか
2026年4月入社の全国型勤務で、大学卒が月30万円、修士了が32万円、博士了が35万円です。地域を限る拠点型は金額が下がります。
大林組の就職難易度はどのくらいですか
就活会議の利用者評価で5段階中4.3前後の難関とされます。採用倍率はサイト利用者の集計で約5.8倍ですが、文系は理系より狭き門になりやすいです。
大林組の退職金はいくらもらえますか
会社は金額を公式に開示していません。確定給付年金と確定拠出年金を組み合わせる仕組みで、大手企業の業界平均では大卒勤続38年で約2,400万円が参考値です。
大林組には学歴フィルターはありますか
会社は学歴の線引きを公表していません。就活データからは地方国公立以上が一つの目安と紹介されますが、日本大学など幅広い大学から採用実績があります。
大林組の就職難易度や選考の流れは大林組の就職難易度の記事、評判や「やばい」と言われる理由は大林組の評判を検証した記事で詳しく解説しています。
まとめ:数字を最新の一次データで確かめてから判断する
大林組の平均年収は2025年3月期で1,140万円と、スーパーゼネコンのなかで2番手の高い水準です。初任給は大学卒で月30万円と、近年引き上げが続いています。就職の難易度は高めで、とくに文系は狭き門になりやすい一方、採用大学は幅広く学歴だけで決まるわけではありません。退職金は仕組みは確認できるものの、金額そのものは非開示で、業界平均からの推測にとどまります。
年収や採用の数字はまとめ記事ごとに食い違いがちです。判断するときは、本文で示した有価証券報告書や公式採用ページなどの一次情報にあたり、年度まで確かめることをおすすめします。古い数字に引きずられず、最新の値で見ることが後悔しない選択につながります。
ゼネコンとサブコンの違いや建設業界全体の構造は、サブコンとは(ゼネコンとの違い)を解説した記事もあわせてご覧ください。

