誰もがいつかは、理想のマイホームで暮らしたいと願いますよね。
その夢が目標に代わり、とうとう実現しようとなると気になるのが「予算」です。
「家を建てる」ということは、人生で一番大きな買い物となる方も多いのではないでしょうか。
それも初めての大きな買い物なのにも関わらず、終の棲家となりえる。
洋服を買うように何度も経験することができない買い物となると自分一人で予算を決めるのは至難の業。
そこで今回は、マイホーム総予算の平均や年収から考える目安、ローンや維持費も考慮した予算の決め方、また予算決めには大きな味方となるファイナンシャルプランナーについてご紹介しましょう。
データから見るマイホームの平均予算を知ろう
まずはデータからマイホームの平均予算を見ていきましょう。
国土交通省のデータからマイホームの全国平均を知ることができます。
少し硬い表現もありますが、そのままの表現で要約してお伝えしますね。
国土交通省が実地した令和2年度(2019年4月~2020年3月)住宅動向市場調査によりますと、注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は全国平均で3,168万円、三大都市圏平均で 3,383万円。
住宅の建築にあたって土地を購入した場合、住宅建築資金と土地購入資金をあわせた購入資金の総額をみると、全国平均で4,606万円、三大都市圏平均で 5,359万円となります。
https://www.mlit.go.jp/common/001401319.pdf 《出典元》
また金融支援機構がフラット35利用者の調査をし、「年収倍率」というのも公開しています。
年収倍率とは、住宅の取得資金を世帯年収で割った数字で、年収の何倍の費用がかけられているかを示す目安です。
結果は、土地も一緒に購入した場合の全国平均の年収倍率は7.3倍、注文住宅の建築費のみの場合は6.5倍となっています。
自己資金があるのか、家族構成などによっても、それぞれのご家庭の経済状況は変わりますので、あくまで目安として考えてください。
マイホームの予算、あなたが無理なく払える額を決めましょう
1,マイホームを新築するために必要な「現金」を知る
マイホームを新築する際には住宅ローンでは賄えない費用が発生します。
その費用を貯蓄で賄うことになります。
その際、注意すべきことは「貯蓄のすべてをマイホーム資金に充てないこと」
住宅の購入費用の内訳は大きく分けて「土地購入費」「建物建築費」「諸費用」の3つです。
この中の諸費用には、頭金や住宅購入に必要な初期費用の他、引っ越し費用、家具や電化製品購入費などが含まれます。
- 頭金は物件の1~2割程度が目安
- 住宅を購入に必要な初期費用は物件価格の1割程度
- 引っ越し費用、家具家電の購入費として50万円から100万円程度を考えておきましょう。
こういった諸費用は現金で支払うことが多く貯蓄から賄うことになります。
しかし貯蓄金額をすべて購入資金に充ててしまうと、その後の生活が苦しくなりかねません。
夢のマイホームを手に入れたのですから、余裕のある暮らしをしたいもの。
お子さんの教育資金やマイカー購入など将来の為のお金、病気やケガ、災害など万が一の時に必要になるお金などを考慮して無理なく払える金額を決めていきます。
ただ頭金は必ずしも必要とは限りません。
しかし月々のローン返済の負担なども考えると用意しておきたいところですが、先ほどもお話ししました通り、貯蓄をすべて使ってしまうのは絶対に避けて頂きたいのです。
これから頭金を貯めるのか、頭金をなしで購入するのか、ご自分にとってどちらが得で無理な暮らしにならないかよく考えることが必要でしょう。
2,住宅ローンの借入額は、無理なく返すことのできる額にする
まずは目安として一般的な借入額をご紹介します。
住宅ローンを無理なく返済できる額は一般的に年収負担率の25%以内と言われています。
年収負担率とは、年間返済額が年収に占める割合のことです。
例えば年収 400万円 の場合は毎月返済額が約 8.3万円ですので借入額約2940万円
年収 600万円 であれば毎月返済額は約12.5万円なので借入額約4428万円
年収 800万円 ならば毎月返済額が約16.7万円で借入額約5915万円となります。
計算としては、毎月返済額=年収×25%(年収負担率)÷12カ月。ボーナス時加算なしの場合。借入額は金利1%、35年返済としています。
同じ年収の方でも家族構成やライフスタイルによって返済できる金額は違うと思います。
あなたにとって返済可能な金額でしたでしょうか。
維持費の存在も忘れてはいけません
マイホームには、賃貸住宅とは違い、固定資産税や修繕費など「維持費」がかかります。
固定資産税等は家を買うと毎年かかってきます。目安として毎月2万円程度となります。
この金額も考慮して毎月の返済額を考えると
今の家賃など住居費から購入後にかかるローン返済額以外の住居費(固定資産税や修繕費)を引いた金額が、あなたの毎月無理なく返済できる金額となります。
3,住宅ローンの借入金額を決めよう
毎月の返済できる金額が決まったら、借入金額を計算してみましょう。
返済期間35年、金利1%とする場合、借入額の大まかな目安は、「毎月返済額の350倍」ほどになります。
例えば毎月返済額12万円なら「12万円×350=4080万円」が借入額の目安となります。こういった計算をする場合、ローン電卓という電卓が昔からあるのですが、今はアプリやWebで計算機を調べるとありますので、使ってみるのも良いでしょう。
4,マイホーム購入にかかる諸費用と住宅ローン借入金額から「あなたが無理なく払える額」=「マイホーム予算」を決めましょう
マイホームを新築するには税金や様々な手数料、頭金などの初めにかかる諸費用
そして住宅ローンの借り入れ、固定資産税などの維持費がかかるとお話ししてきました。
この中で、頭金と住宅ローンの借入額が建築資金(物件価格)となります。
一戸建ての場合、初めにかかる諸費用の目安が建築資金(物件価格)の6%~10%となります。
これを踏まえて計算してみると
例えば住宅ローンの借入額3000万円、諸費用と頭金の合計額(貯蓄額から将来の為に残しておくお金を引いた金額)500万円、一戸建ての諸費用の目安を6%とすると
「無理なく払える金額」=「マイホーム予算」は約3300万円となります。
因みに頭金はマイホーム予算から住宅ローンの借入金額を差し引いた金額になるので300万円。諸費用は200万円となります。
ただ諸費用は、住宅ローンの借入金額や専有面積などによって変わってきますので、今ご紹介した計算で算出した金額とは異なることもあります。
ファイナンシャルプランナーに相談するという選択も
さて、今までお話ししてきました通り、マイホームの予算を決めるのには様々なことを考慮していかなくてはならないということが良くお分かりいただけたと思います。
人生で一番高価な買い物になるということは、高額なお金が動くし、それを計算するのにも何よりも慎重に進めなければなりません。
本来であれば、生涯の収入支出から逆算するのが的確なのですが
そのようなシミュレーションは、知識が少ない方は時間的にも、技術的にも難しいですよね。
そういう時に活躍してくれるのがファイナンシャルプランナーなんです。
ファイナンシャルプランナーとは?
ファイナンシャルプランナーと聞くと「生命保険の相談に乗ってくれる方」というイメージをお持ちの方がおおいかもしれません。
NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会によりますとファイナンシャルプランナーは「生活設計のアドバイザー」なんです。
たとえば
「一戸建てを買いたい。でも子供の学費や生活費を考えるといくらお金が必要で、何歳で購入できますか?」
このような相談に対し、資産や収入、負債、保険、不動産、税金などの幅広い視点から、お金の運用方法、最適な金融商品を検討し、ライフプランを提案してくれます。
つまり、相談者の目標のために生活設計から見直し援助するのがファイナンシャルプランナーの仕事です。
ファイナンシャルプランナーの相談には「無料」と「有料」のものがありますが、どちらでも相談者のプライバシーに関しては守秘義務がありますので、家計の相談なども安心して受けられます。
家を建てる時にファイナンシャルプランナーに相談するべきことは?
いざファイナンシャルプランナーに相談するとなっても、何を相談してよいのか迷ってしまいますよね。
- 住宅ローンの選び方
- 金利選び
- 借入可能額
この3つは必ず相談事項に入れましょう。
住宅ローンの選び方
初めて住宅ローンを選ぶとなると、何が自分に合っているのか判断材料が少なくなってしまいますよね。
多くの方は建築会社や不動産会社からご紹介された住宅ローンから選ぶことになるでしょう。しかし住宅ローンを扱う金融機関は本当にたくさんあります。
建築会社や不動産会社で紹介されたものと、他にも選べるとなれば、あなたにとって最適な商品を選ぶことができます。
ファイナンシャルプランナーはしっかりと資金計画を立てて、あなたにとってピッタリな住宅ローンを一緒に考えてくれます。
金利選び
住宅ローンと同じで、金利選びはとても重要で難しいことだと思います。
ファイナンシャルプランナーは「固定金利」「変動金利」固定金利期間選択型」の説明から金利を考えた返済の総額、繰り上げ返済した場合はどうなるかなどを色々と考えてくれます。
借入可能額
マイホームの予算を出すときにもお話ししましたが借入額、返済額などは、家族構成や勤務年数など人それぞれです。また、借入限度額いっぱいに借入をしてしまうと将来の生活に支障をきたしてしまいます。
自分がどれだけ借りられるのかファイナンシャルプランナーは人生設計に合わせて提案してくれます。
この3つを相談するだけでも、マイホームを建てる資金の悩みが大きく解消されます。
お金の悩みが解消された後は、予算内であなたやご家族の夢を形にすることに集中できますよね。
さいごに・・・
いかがでしたか。
マイホームの予算を立てるには、まず一般的な金額を知ること。
そして諸費用など必要な「現金」を知る。
無理なく返済できる金額を算出し住宅ローンの借入金を決める。など大切なことをご紹介しました。
大きなお金のことを人生で考えることが初めての方も多いと思います。
そんな初心者であるにもかかわらず、マイホームの予算を立てるには、まずはあなたの人生設計を考えてから挑まなくてはいけないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ご自分だけでマイホームの予算を立てるのはちょっと難しいかもと思われた方は、是非ファイナンシャルプランナーに相談をしてみましょう。
ただし気を付けて頂きたいのはファイナンシャルプランナーの無料相談。
もちろんすべてを疑う必要はありませんが、先にもお話ししましたように「生命保険の相談に乗ってくれる方」というイメージがある通り、ある一定の商品を販売するために相談を受けているというファイナンシャルプランナーが存在するのも事実です。
ファイナンシャルプランナーは本来、相談者が、幸せな人生を歩めるかどうかを担うというとても重責な職業です。
アトリエプラスでは、優秀なファイナンシャルプランナーのご紹介もしております。
もちろんお客様の思い描く人生をサポートすることに誇りを持つ素晴らしい方ばかりです。
素敵なマイホームを建てても、支払いに苦労したり、やりたいことも我慢するのは豊かな生活とは言えませんよね。
「家を建てること」はもちろん、豊かな生活を送る為にはしっかり考えなくてはならない「お金のこと」、「家を建てた後のサポート」もトータルに見守りたい。
それがアトリエプラスの想いです。