夢のマイホームが完成したら、「芝生の緑が眩しいお庭を眺めながらコーヒーを楽しみたいなぁ」なんて想像するとワクワクしますよね。
お庭は私たちを和ませてくれるとても大切な場所です。
庭というと先程もお話ししたように「一面を芝生に」と憧れる方も多いと思いますが、芝生のように庭を美しい緑で多い、雑草抑制にもなる植物は他にも沢山の種類があります。
今回は「地面を覆う植物=グランドカバー」の種類やそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
グランドカバーとは
グランドカバーとは、地面を覆う植物のこと。造園において、地表を覆うために植栽する植物のことです。(下線部分 ウィキペディアから)
グランドカバーで地面を覆うことで、土が露出しないで庭をより美しく演出したり、土の流出や乾燥を防ぎ、雑草を抑制することができます。
また、グランドカバーで背景をつくれば、高低の変化のある立体的な庭にすることも。
グランドカバーは芝生以外にも色々な種類があります。花が咲く植物をグランドカバーに選べば、その季節には一面に小花が花開く、かわいらしい光景を楽しむことができます。
踏んでも平気なものや日陰でも育つものが多いので、石やレンガを敷いた小径やステップの隙間、花壇の縁取りや低木の下などを彩るのにもぴったりです。
芝生のメリット・デメリット
庭一面、緑に輝く芝生の光景に憧れて庭を芝生にしたいという方は、やはりとても多いです。
その芝生のメリット、デメリットを知っておくのも大切です。
芝生の良さといえば、目にも鮮やかな緑など自然を身近に感じることができるところ。癒し効果もあります。
また裸足でも気持ちよく過ごせ、お子さんが駆け回っても安心ですよね。
コンクリートなどに比べ照り返しがないため、夏は涼しく過ごすことができます。
土のままより、雑草の抑制効果もあります。
コンクリートや砂利で覆うよりもコストが低いこともメリットの一つです。
デメリットは、思ったよりもお手入れが大変ということ。
これは芝生の庭の最大のデメリットと言えるでしょう。
肥料を与えたり、夏は水やりをしなければなりません。
また芝刈りもこまめにしないと芝が足に絡まり転倒する恐れも出てきます。
良く茂った芝生は地面をしっかり覆うため、エアレーションと呼ばれる空気穴を抜く必要もあります。
土のままであるよりは雑草は生えにくいですが、放っておくとやはり生えてきてしまいますので、こまめに手入れをしないといけません。
冬はどうしても枯れてしまいますので見た目にも寂しく感じます。
この様に芝生のお手入れはとても大変なのです。
上にあげたようなメンテナンスは芝生を最高の状態にするためのメンテナンスです。
雑草の抑制と考えるとコンクリートが一番なのですが、やはり照り返しや味気ない印象になってしまいます。
そこで初めにもご紹介しました芝生に変わる「グランドカバープランツ」という選択をされてはいかがでしょうか。
芝生以外のグランドカバープランツの種類
芝生以外にも沢山のグランドカバープランツは存在します。
春から秋にかけて、星形のブルーの小花を咲かせる可愛らしい「ロベリア」、
カラーリーフが美しい「リシマキア」、
「タイム」や「ローズマリ」「オレガノ」などハーブをグランドカバーにするのもおすすめです。歩くたびに心地の良い香りに包まれる上、虫除けにもなります。
横に広がる性質を生かして、グラウンドカバーとしても利用される「シバザクラ」、
日本生まれで環境にも配慮した植物としても近年注目されている「クラピア」、
可愛らしい花を咲かせる「ヒメイワダレソウ」、ハート型の小さな葉が可愛いらしい「ダイカンドラ」
などあげればキリがないほど沢山の種類があります。
その中でも、おすすめな「ヒメイワダレソウ」と「ダイカンドラ」について詳しくご紹介していきましょう。
ヒメイワダレソウのメリット・デメリット
ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)は、別名リッピアと呼ばれ
南アメリカに分布するクマツヅラ科イワダレソウ属の多年草です。
分布域はエクアドル南部からペルー、ボリビア、チリ、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチンなどで牧草地や草原、道路脇などに自生しています。
現在では世界の広い地域に帰化していて、日本へは昭和初期にわたってきています。
このヒメイワダレソウの特徴は、踏み付けに強く、繁殖力の速さにあります。
繁殖力が芝生の10〜20倍とも言われています。
また可愛らしい小さな花を咲かせるのが魅力です。
芝生はサッカーなどでよく踏みつけられる場所は禿げてきてしまいやすく、その部分のメンテナンスは念入りにしなければなりません。しかしヒメイワダレソウは踏まれてもどんどん伸びていくほど耐踏圧性が強い植物です。
耐寒性、対暑性に優れ、刈込にも強いという特性があります。
また芝生に比べメンテナンスが楽。芝生は月に2回ほど刈り込みが必要ですが、ヒメイワダレソウは梅雨前と地上部が枯れる真冬の年二回、刈り込みを行うだけで大丈夫なのです。
グランドカバーとしてはとても優秀なヒメイワダレソウですが、デメリットもあります。
ヒメイワダレソウは繁殖力が強いとお話ししましたが、とにかくどんどん広がっていくため、狭い場所に植えることは避けたほうが良いでしょう。
繁殖力が強いという事は、言い換えれば、あっという間に広がってしまうということです。
他の観賞用のお花などの植物がダメになってしまう事もあります。
グランドカバーとして利用する場合は、広い場所に植えましょう。
もう一つ、雑草の抑制効果はあるもののやはり生えてきてしまうのも事実。ですが、芝生のように刈り込まないので目立ちにくいという利点があります。
また冬は枯れた状態になります。
ダイカンドラのメリット・デメリット
ダイカンドラは南北アメリカ、アジアを中心に10~12種が分布するヒルガオ科ダイカンドラ属の多年草です。
ハート型の小さな葉が可愛いらしい、横に広がって這うように伸びるのが特徴です。
グランドカバーとして以外にも寄せ植えやハンギングバスケットをつくるときのアクセントとしても使われるので一度は見かけたことがあるかもしれません。
ダイカンドラの特徴としては、メンテナンスがとても楽なこと。刈り込み作業をしなくても大丈夫なんです。
実はダイカンドラは2種類あります。
「ミクランサ種」と「アルゲンテア種」
ミクランサ種は、緑色の葉で、アルゲンテア種は、シルバー色の葉とそれぞれ葉っぱの色が違います。
ミクランサ種は日本にも自生しているもので和名は「アオイゴケ」と呼ばれています。
日本にも自制しているミクランサ種の特徴は、湿った場所を好み耐陰性(※1)があります。
丈夫で手がかからないのでグランドカバーにとても向いています。
一方、アルゲンテア種は、ミクランサ種とは反対に乾燥した日が当たる場所を好みます。
こちらは寄せ植えなどに使われることが多いです。
同じダイカンドラでもここまで性質が違うのはびっくりですよね。
ダイカンドラをグランドカバーにした場合のメリット、一番はコスト面ではないでしょうか。
ダイカンドラは、種から育てることができるため、コストが抑えられるのです。
芝生と比較してみると、1㎡あたりの相場で天然芝はおよそ500~1,000円ほどとなりますが、ダイカンドラのミクランサ種は造園用の種は、およそ100円で購入することができ、グランドカバーにできるのです。
メンテナンスがほとんどいらないのもダイカンドラのメリットの一つです。
種をまき、根がしっかりと張るまでは水やりをしなければなりませんが、一度地面に定着した後はほぼ水やりをしなくても大丈夫。
メンテナンスとしては、地面に根がはるまでの水やりと増えすぎたときに整えるぐらいで、ほとんど手間がかからないのは魅力ですね。
冬でも緑の葉を楽しむことが出来ますが、マイナス1℃以下の気温になる地域では葉が枯れます。
ですが、土が凍らなければ根は生きていますので暖かい時期になるとまた美しい緑の葉を見せてくれます。
これは、ある意味メリットと言えるでしょう。
その他にも実はデメリットはあるのです。
育つ環境があえば成長する速度が早く、増えすぎてしまうのです。
種をたくさん作るのでとても増えやすいです。
対策としては、種まきや植え付け前に「根止めフェンス」「根止めシート」などで囲っておくことをお勧めします。ただ地下茎でどんどん広がるわけではなく、根は浅いので簡単に取り除けます。
やはり管理は難しくないのがダイカンドラの良いところですね。
あとは、芝生ほど踏みつけには強くないのもデメリットと言えるでしょう。
ある程度の踏み付けには耐えられるのですが、芝生と比べるとそれほどではないのです。
植える前に飛び石など足の踏み場を作っておくと良いでしょう。
※1耐陰性・・・森林の内部などの暗い場所でも光合成を行ない独立栄養を営むことができる植物の性質。
さいごに・・・
芝生とその他のグランドカバープランツについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
「お庭には芝生」というイメージから選択肢が増え、益々、家づくりが楽しみになりましたよね。
しかし、あなたやあなたのご家族だけで家づくり、庭づくりまでも考えるのはちょっと大変と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
「家を建てる」ということは「暮らしを創る」ということです。出来れば庭の計画も一緒にすることが重要です。
工務店や建築会社選びをするポイントの一つに、家だけではなく、庭の提案も一緒にしてくださる会社というのも入れてみるのは大切かもしれませんね。
アトリエプラスでは、家と庭をセットでご提案させて頂きます。庭とのつながりや同一のコンセプトで作られた建築は、一体感をうみ印象がとてもよくなります。
ぜひ、ご気軽にご相談ください。
家を建てるだけでなく、その先もずっと安心して過ごしていただけるよう末長いお付き合いをさせていただく。
それが私たちアトリエプラスの想いです。