自然素材ならではのメリットあり! 壁材に「漆喰」という選択

家づくり
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壁は家全体の印象を左右する大切な要素。面積が広い分、心地よい住環境をつくる上で、大きな影響を与える場合もあります。

ちなみに「家の壁」と聞いて真っ先にイメージが浮かぶのは、ビニールクロスなどの「壁紙」を貼って仕上げられた壁ではないでしょうか。

ですが、壁にはもう一つ、昔ながらの「塗り壁」という方法も存在します。今回は、代表的な塗り壁のひとつ「漆喰(しっくい)」についてご紹介。

古くから愛される理由と、自然素材ならではのメリット、またデメリットも含めて解説します。

そもそも「漆喰」って何?

「塗り壁(ぬりかべ)」といえば、「漆喰」や「珪藻土(けいそうど)」などの粘土を塗って仕上げる壁のこと。塗り終わって硬化した「漆喰」は、炭酸カルシウムという物質で、身近なものでいうと、卵の殻や貝殻などと同じです。

その最大のメリットは「燃えない」こと。そのため、古くからお城や商家の壁に使われてきました。「珪藻土」に比べ強度もあり、水にも強いので、内壁だけではく、外壁に使われることもあります。

漆喰の種類は5種類

漆喰は大きく分けて5種類あります。

・本漆喰=古くから「漆喰」と呼ばれてきたものは「本漆喰」に当たる。施工する現地で昔ながらに海藻(フノリ)を炊いてノリをつくり、麻の繊維と塩焼き消石灰を混ぜてつくる

・土佐漆喰=発酵させたワラと塩焼き消石灰と水を混合して熟成するため、ワラの成分が発色。紫外線で退色するまでは薄黄色〜薄茶色。練った状態の製品のみ

・琉球漆喰=現地の言葉で「ムチ(餅)」と呼ばれ、土佐漆喰よりも濃い黄色や茶色の姿に仕上がる。練った状態の製品のみで、沖縄の屋根瓦工事を中心に使われている。

・既調合漆喰=水を加えて練ることで漆喰として使える商品。主に「漆喰メーカー」が生産した商品で、近年では合成樹脂や化学繊維を配合した製品や顔料を混ぜた色付きの製品も

・漆喰関連製品=漆喰の機能を持つ塗料や、海外製の消石灰を配合した塗り壁剤のこと。現在では既調合漆喰と区別する規定はない

今回は上記の中でも「本漆喰」を中心に解説していきます。

自然素材の「漆喰」を壁材に使うメリットは?

比較的ローコストな壁紙仕上げは、色や柄、模様などが豊富で、自分好みの空間を演出しやすいのがメリット。逆にデメリットは時間が経過するとともに日焼けをしたり、汚れが付着して黄ばんでしまったりすることも。また、壁紙の内側にあるボードの継ぎ目が浮き出てしまうケースもあります。

一方の「本漆喰」は、自然素材ならではの高級感があり、壁紙のように接着剤を使わないので、住む人の体に優しいのが利点。「強度がある」「燃えない」「水に強い」というほか、どのような特徴があるのか、まずはメリットから見ていきましょう。

凛とした「白さ」が続く


純白の「漆喰」は、壁紙の「白さ」とは違う凛とした雰囲気が漂う

実物を見ていただくのが一番ですが、「本漆喰」の白さを言葉で表現するとしたら、「光をよく反射する純白」。塗り方や混ぜる繊維の量によって、光沢感は変わってきますが、どれも、とても美しい白を出せるのが特徴です。

また、経年劣化する壁紙に対し、変色しない「炭酸カルシウム」である「漆喰」は、黄ばみに強いのもメリット。空気中のチリなどが付着して汚れることはありますが、壁紙よりも変色しいくい素材です。

どうしても汚れが気になる場合、ちょっとした汚れなら消しゴムで消すか、カッターナイフなどで削り取ることもできます。

「調湿効果」がありペタペタしない

「漆喰」は、表面に無数の穴が空いている多孔質(たこうしつ)と呼ばれる素材なので、日本のように湿度の高い夏には、湿気を吸い取ってくれる「調湿効果」を発揮します。

壁紙や床材でも、湿度の高い季節はペタペタとしがちですが、漆喰の表面はサラサラとした手触りが続くのが魅力。ふと壁に触れた瞬間のジトっとした感触がないというのは、少なからず、ジメジメとした季節のストレスを軽減してくれそうですよね。

また、寒い冬には結露しにくく、居室の乾燥を和らげてくれる効果も期待できます。

メリットその3:「消臭効果」で来客にも好印象


広く明るく見せたいリビングは「漆喰」の塗り壁を採用し、リラックスできる落ち着いた色味を選びたい寝室は壁紙にするなど、居室スペースごとに使い分けるのもひとつのアイディア

「調湿効果」同様、多孔質の特徴により、空気中の「匂い物質」を吸着し、消臭してくれる効果も期待できるのが「漆喰」のメリット。

友人の家にお呼ばれした時、“よその家の匂い”を感じたことはありませんか? 漆喰の壁は、あの“独特の匂い”をかなり軽減してくれるようです。漆喰を採用した家は、「入った時に空気感が違う」といわれることも多いのですが、それはこの「消臭効果」によるところが大きいでしょう。

空気をキレイに保ってくれる役割も

さらに「漆喰」は、素材が弱アルカリ性のため、壁自体に汚れが付きにくい「防汚効果」や細菌の増殖をおさえる「抗菌性能」もあります。

また、消臭効果と同じように、空気中の化学物質や二酸化炭素を吸着してくれるほか、近年では「化学物質過敏症」の一因とされるホルムアルデヒドの吸着や分解の機能があることも分かってきました。

デメリットも把握してから選ぼう

自然素材らしいメリットがズラリと並ぶ「漆喰」ですが、長所があれば、もちろん短所もあります。壁材として選ぶ前にデメリットも把握しておきましょう。

硬化する塗り壁は「ひび割れる」

壁紙と違い、空気と反応して硬化する塗り壁は、ひび割れることが多々あります。何らかの原因で完全に割れてしまった場合は補修の対象になる工務店が多いですが、細かいひび割れなどは主に対象外です。

「漆喰」に起こるのは、「ヘアークラック」と呼ばれる髪の毛のような細いひび割れ。「漆喰」仕様上、避けられない現象で、大きな剥がれなどの原因にはなりにくいため、基本的には補修の対象外です。

これはどうしようもないことなのですが、ヘアークラックが起きると美観が損なわれることも。その場合、職人を呼ばずに、自分たちで少量の漆喰を練り、綿棒などでクラックを埋めて補修をすることが可能です。

ただ、どうしても補修跡が残ってしまいますし、そのメンテナンス作業が面倒に感じる人は、避けた方が良いでしょう。

ちなみに、補修をする際は、「漆喰」が口に入らないようご注意を! 漆喰を練るのに食器などを使うと、洗い残しが心配なので、使い捨ての紙コップなどをオススメします。

壁紙よりも高価な場合が多い

優れた職人によって独特の深みが出る漆喰は、壁紙に比べると高価であることが多いです。単価でいえば少しの差ですが、壁や天井は面積が広い分、単価の差が大きな金額の差となって出てしまうので、単純にして明快なデメリットとなるでしょう。


いかがでしたか?

ほかにはない白い漆喰壁の輝きは、経年変化をしても飽きのこない素晴らしいもの。ヒビが入って補修をしたり、何かの拍子に欠けてしまったり…そんな傷も“家族の思い出”として楽しめる人にはぴったりの壁材です。

壁はインテリアとしても、その空間の雰囲気を大きく左右しますから、どんな材質のものを使うのか、どんなカラーで、どんな模様にするのか…そのひとつひとつを考えるのも、家づくりの楽しみですよね。

そして、壁紙にしろ、塗り壁にしろ、どちらの方が絶対に良い、ということはありません。

そこに住まう人それぞれに合う素材というのがありますので、アトリエプラスでは、ご要望に合わせたご提案をさせていただいています。壁材選びに迷ったら、ぜひお気軽にご相談くださいね!

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