家づくりで大切なことはお金や木の種類など本当にたくさんありますよね。
その中で、間取りや内外装の設計という部分は、今後何十年も暮らす上では最も重要なことになります。
今回は、間取りや内外装の設計という視点で、設計士にどのように要望を伝えるのが良いのか、設計という視点で、どのようなハウスメーカーや工務店を選ぶとよいのかなどをお伝えしていきます。
営業マンが間取りを設計する!?
家づくりでハウスメーカーや工務店に足を運ぶと一番初めに対応するのが営業マンですよね。その営業マンを信頼できるかできないかも、建築会社を決めるのには重要なポイントになりますが、実は、その営業マンが間取りを考える会社も存在します。
お分かりだと思いますが、住宅の営業マンと設計士の違いをまとめてみましょう。
設計士は設計図の専門家
住宅の営業マンとは家のこと全般を把握していて家づくりの窓口の役割を果たすイメージ、設計というよりは、ローンの相談や契約についての知識がある人です。
設計士は間取りを作ったり細かい図面を作るイメージで、設計図に特化した専門家です。
住宅の営業マンは、家のこと全般を把握しているので、ある程度経験を積んだ営業マンなら間取りを作ることはできるのが一般的です。
「ならば、営業マンの間取りでも大丈夫なんだ!」と思われた方もいるかもしれませんが、その間取りのクオリティは気になりますよね。
営業マンの作る間取りにはメリットデメリットが
ある設計士の方が、営業マンの作った間取りを検証した資料によりますと、設計士が見て「良い」と思える間取りを作ることができる営業マンは10人に1人程度。
その一人の営業マンも、実は以前に設計をしていたなどの経歴を持つ方でした。
設計士はお客様に最適なローンの種類はあまり詳しくないように、住宅の営業マンも家について詳しいですが、やはりお客様の暮らしに最適な間取りは作れないということなのです。
餅は餅屋ということですね。
しかしながら営業マンが間取りを作る建築会社で家づくりを始める方々も、もちろんいらっしゃいます。
もしかしたらこの記事をご覧になっている方の中にも、すでにそういった建築会社で家づくりを進めている方がいらっしゃるかもしれません。
結論から言いますと、注文住宅を選んだけど自分たちの要望はあまりない方(例えば建売住宅とあまり変わらなくていいなど)であれば、営業マンが間取りを作った方が話が早く進むという利点があるので相性がいいといえます。
お客様と初めてお会いした当初からコミュニケーションをとっていて一番身近な存在が営業マンです。複雑な間取りや仕様でないならば、担当の営業マンが作った方がスピードが速くなるし無駄な時間やコストカットにもつながります。
設計士を選ぶべき人は
反対に家づくりにこだわりがある方は、間取りだけでなく仕様やおさまりも重要なポイントとなってくるので、設計士と打ち合わせのできる建築会社を選ぶべきです。
どうしても間取りという部分だけに目が行きやすいのですが、仕様やおさまりを考慮して間取りを考えないと、後々の見積がびっくりするような額になったり、思い描いていたマイホームとは全く違うものが出来上がったりという可能性も、ぐっと高くなります。
間取りなど設計については設計士に直接要望を伝えよう
1,設計士が設計するが営業マンだけと打ち合わせをする会社の場合
ここまでお話ししてきて、注文住宅を選んだのなら、やはり設計士としっかり打ち合わせをして間取りなどを一から設計してくれる建築会社を選ぶのが夢のマイホームに近づく第一歩だと思われた方でしょう。
ここで一つ注意していただきたいことがあります。
それは設計士が設計するが、”直接”打ち合わせをしないという建築会社もあります。
どういうことかといいますと営業マンが設計士との間に入ってお客様の要望をお伝えする会社です。
営業マンがお客様と打ち合わせをして設計士に伝えるという会社を選んだ場合は、とにかく信頼できる営業マンである必要があります。
信頼できる営業マンであれば、お客様との打ち合わせの内容を逐一設計士に伝え、怪しげな部分もしっかり確認を取ってくれます。
しかしあまりしっかりしていない営業マンである場合、とりあえず何とかなるだろうと話を進め、いずれ問題が山積みになりかねません。
中々、信頼できるのかどうか見分けが付けられないという方は、契約前に間取りまで作ってもらいその際に直接、設計士と話をしたいと申し出るという手もあります。
「契約前」というのがポイントです。
もしその時点で、誠意をもって対応をしてもらえなければ別の建築会社に変えることができリスクを避けることができます。
ただ、ここまでの時間や労力を考えると、初めから設計士やインテリアコーディネーターと直接打ち合わせをしてしっかりと要望を聞いてくれる体制が整っている建築会社を選ぶ方が近道ではないでしょうか。
2,設計士への要望の伝え方は?
設計士が間取りや内外装を設計するうえで一番大切なことは、お客様の要望を事細かく聞き取ることです。これをヒヤリングといいます。
ですからお客様であるあなたは、設計士に自分たちはどんな暮らしがしたいのか、どういう見た目の家を望んでいるのかなど、自分の思いを食い違いがないように事細かく伝えなくてはいけません。
お客様側が一番頑張らなくてはいけないことは、「自分たちの理想をいかに的確に事細かく伝えるか」ということです。
こうなると営業マンを通して設計士へ伝えるという伝言ゲームでは、営業マンの思い違いなどで変換された情報しか設計士には伝わりません。
こだわりの夢のマイホームをつくりあげるためには、やはり設計士と直接話しをすることが実現の近道になるのです。
ヒアリングシートの書き方
設計士に要望を伝えるといっても「初めてのことでどうしたらいいのかわからない」という方も多いと思います。
一般的に要望を伝えるヒアリングシートが用意されている会社がほとんどだと思います。
例えばその中に「リビングは何畳ほしいですか」というような質問があるとします。
すると何となく広めがいいからと20畳と書いてしまうことになります。
そうなると暮らしに沿った間取りではなく漠然と20畳のリビングがある理由のない間取りができてしまう可能性が出てきます。
まず事前にご家族で、「どのように暮らしたいのか話し合いをすること」が大切です。
リビングは何畳で、ウッドデッキがほしくてというのを考えるのもいいのですが、設計士が実際に知りたいことは、「具体的な暮らし方」です。
例えば「休日はリビングからウッドデッキに出て、大好きなコーヒーを楽しみながら読書をしたい」といった「暮らし方」に焦点を当てたものです。
設計士は、そこから「キッチンに近い方がコーヒーなど飲み物を取りに行きやすいから、そこの動線を考えよう」とか「寛げるように景色が良い方にウッドデッキを作ろう」「読書なら直射日光が当たらない方がいいな」と発想を膨らませます。
具体的な暮らしを書こう
どの建築会社からもヒアリングシートがもらえることが多いと思います。
そこに書いてある質問にはもちろん記入したほうが良いですが、項目としてなかったとしても、設計士が、「休日はリビングからウッドデッキに出て、大好きなコーヒーを楽しみながら読書をしたい」という、たった一つの小さなストーリーから、ここまで発想を膨らませ、あなたやご家族の住みやすい家づくりを考えてくれるなら、具体的な暮らし方など自分の思いは必ず書くべきでしょう。
『住み始めた後の暮らしぶりを設計士と共有して、一緒に作り上げていく』
これが設計士と創る家づくりの第一歩です。
ここだけは、設計士や営業担当者に任せるのではなく、しっかりとご家族で考えて伝える努力をしましょう。
さいごに・・・~アトリエプラスの考える設計士と創る家づくり
いかがでしたでしょうか。
間取りなど設計をするにも、建築会社によって色々なパターンがあることをお分かりいただけたのではないでしょうか。
時間短縮やあまりこだわりがないという方は、信頼できる営業マンとの間取り作りでも問題ないかもしれません。
せっかく注文住宅にしたのだから、こだわりを存分に相談しながら設計をしたいという方は、やはり設計士と直接、打ち合わせのできる建築会社を選ぶべきだと思います。
アトリエプラスは、設計士と直接お話しして頂き、ご納得いただける家づくりを提案しています。
また私たちがお客様からご要望をお伺いするときのヒアリングシートは、その家に住むご家族の暮らしに寄り添ったヒアリングをするために工夫されています。
先にもお話ししましたが、リビングは何畳欲しいですかというような質問があると、なんとなく何畳欲しいといった回答を書いてしまうため、理由のない間取りが出来上がりやすくなります。
そこで私たちのヒアリングシートは間取りに対しての質問項目がありません。
あるのは“やりたいこと”と“その理由”です。
この形にすることで、あなたやご家族が何を望んでいるのか、やりたいことに対しての別のアプローチがあるのではないかと考える切っ掛けができるようになっています。
見た目には項目も少なく、ともすればこのヒアリングシートで大丈夫!?と思われることもあるかもしれません。しかしフルオーダー型注文住宅の家づくりをするには、私たちアトリエプラスが考えるヒアリングシートがお客様の願う家づくりの本質に近づけるということを長年の経験から考えます。
アトリエプラスで設計士と共に、安心してご納得いただける家づくりをしてみませんか。